築炭ニュース 第28号(昭和26年12月15日)1面②
『人事往来』
-十一月-
○六日常務〔朝比奈敬三〕来山○八日開発局太田技官交通調査のため来山○十一日通産局統計課長佐藤氏統計事務調査のため○十三日留萌林務署長外二名栄坑の件にて来山○十五日通産局鉱業試験所技官防爆機器下検査のため来山○十七日常務出札○十九日羽幌警察署長丹羽氏新任挨拶のため来山○二十日町田専務〔町田叡光〕来山○廿九日国税庁留萌税務署長来山
-十二月-
○一日留萌保健所長診療所落成祝のため来山○二日町田専務退山○八日社長〔岡新六〕来山、曙営林署分担区員二名坑木払下げの件にて来山、救護隊岩見沢支所平田技官外三名検定器の件にて来山○十一日町田専務島内常務〔嶋内義治〕来山朝比奈常務出札○十三日社長島内常務出旭、毎日新聞社吉川記者北日新聞社松山記者記事取材のため来山○十四日社長島内常務旭川より帰山、釧路方面刑事部夏井氏事務連絡のため来山○二十三日社長帰京
『11月出炭実績』
『十月以降新賃金 協定成る』
十月以降新賃金問題は去る二十五日より全山注視の裡に交渉が重ねられていたが十日円満に協定が成立した。
一、十月以降新賃金
坑内夫 五三〇円(税込)
坑外夫 三一六円(税込)
家族給 四〇〇円(税込)
請負者能率は四-九実績の九〇%とする。
二、産生賞与
基準一〇、五〇〇トンの場合、二五〇円
一%増す毎に二五円で一、〇〇〇円を限度とする。
『火薬取扱技術優秀 築別礦表彰さる』
去る十一月一日からの道庁主催火薬危害予防週間に際し築別礦は火薬による死傷、盗難等の事故が皆無のところからその取扱技術が優秀であると認められ表彰されたものである。
築別礦の火薬取扱責任者及び主任者は常務である朝比奈敬三氏であり乙種取扱責任者は本社調査課山本本三三九係員である。
尚今回選衡の対象となつた団体は火薬の製造業、販売業、その業者、炭礦、礦山、土木開拓等の一八〇団体で表彰されたものはその中の一五団体で炭礦としては道内に九五炭礦中五つの炭礦が表彰されたものである。
『第二回 保安技術職員 国家試験』
第二回保安技術職員国家試験合格者発表通達がこの程鉱山保安試験審査会より発表された。
◎甲種坑内保安係員
澁谷俊次、戸澤金悦、荒關義雄、佐藤政良、佐々木要作、三浦功、草野宇一、山崎國治、西村靖夫、髙野昭、齋藤正雄、西田信一、小林中、福井好一、齋藤晋
◎甲種発破係員
澁谷俊次、佐藤政良、佐々木要作、三浦功、相馬吉春、山崎國治、西村靖夫、髙野昭、齋藤正雄、山田定市、西田信一、渡邊秀治、柳澤佐一郎
◎甲種電気保安係員
島田勝美、平岩武市、川端俊夫、加古末松
◎機械保安係員
平岩武市、竹村豊治、谷藤一二三、鎌田一、澤田實、長谷川勝一、西原三夫、畠山正一
◎坑外保安係員
砂田次郎、伊藤達、吉川喜一、畠山正一、渡邊久見
◎火薬係員
佐々木利夫、淸野慶作、中谷千秋、渡邊久見
◎安全灯係員
淸野慶作、中谷千秋、村中勇
◎熔接係員
野上彌一郎、畠山正一
第二回 上級保安技術職員 国家試験合格者
本社 水上三郎
羽幌礦 加藤希良
『エンドレス』
大晦日が近づくと毎年繰返して思う。
「今年はどうであつたか」と。良かつたと思う人良くなかつたと思う人さまざまであろう。
炭礦として思う時、昨年に比し概して良くなつたことは間違いないことである。
賞与、越年資金に関してもパルプや金へん景気の事業を除いて炭礦は悪い方とは言えない。ストだハンストだと騒いでも賃金の未払すらある産業もある。
社会経済の動きは人間の意志に自由になる部分と人間の意見の如何ともし難い部分がある。総ての労働者が最景気をうたつているパルプ並みの給与を求めてもそれは不可能である。たまたまパルプに属している者が運が良かつたと言うことであろう。然し永久にそうであることが出来ないのは一昨年の糸へん景気が証明している。
人間の意志以上のものに対して抗してもそれは徒労である。
二十六年は築炭は漸く堅実な歩みに入つた第一年目であつた。二十七年は飛躍の年であらしめたい。
かくあらしめるためには今年をそして昨年を反省して見ることが無意味では無い。